2003-12-23

近況

借金生活は嫌だけれど, 組み立て PC はもう勘弁という気分. なによりノートPCが欲しい. 物欲. そういえば "物欲くらいでしかストレス発散できない!" とぼやいていた同僚は ZaurusMURAMASA を買っていた. 私は バイオノートZ が欲しい.

ああ, モノが欲しいと表明するのは健全な感じがしていいなあ. 逆に食欲や性欲のような自明と言われるものを除くと, 何のてらいもなく表明できる欲望は物欲くらいだと思う. あとはどこかに行きたいというもの. えらくなりたいとか目立ちたいとかもてたいとかまともになりたいとかしあわせになりたいというような, 自我に関わる欲望を表明するのは後ろめたい. そんな後ろめたい欲望のかわりに費されているなら, 物欲が健全だとは言いえないかも.

モノ絡みのカウンセリング症例を示す "豊かさの精神病理"(岩波新書/大平健) にも物欲の話がでてくる. 登場するのは "良いモノ" を買い揃えることが幸せや人格形成に繋がると信じる人々. ブランド品で身を固めてできるビジネスマンになってみたり, 美食のために生活を犠牲にしたり. 1990 年初版だけあってバブルらしい話だと思って読んだけれど, 物欲が他の欲望を代替しているという意味では今と似たようなものかもしれない.

ブランド品を自己実現やら幸福やらに結びつけるのにはそれなりに想像力/実行力がいる. 広告はそれを補い具体的なイメージを提示してくれるけれど, イメージと現実の自分の間にあるギャップが大きいとその広告は役に立たない. 実際私はソニーのいう "バイオのある生活" には何ひとつ共感できない.

それでも私が "バイオノートZ" を欲しいと思うのはどうしてだろう. 高機能であることが何か良いことに繋っていると, 未だにどこかで信じているのかもしれない. 速い事はすばらしい. 軽いことは素晴しい. 薄いことは素晴しい.