2005-05-08

近況

法事で家に帰ったら, 母が iPod mini を持っていた. Amazon で買ったという. 息子(情報産業末端労働者)よりデジタル機器を使いこなす母(公務員). そんなものだ. 256MB の USB メモリがそろそろいっぱいで困ると相談をうけたので 1GB のものもあると答えておく.

最近読んだ本: 夢と欲望のコスメ戦争

美白, 口紅, 目ぢから, 機能性化粧品, ナチュラル,.. といったテーマ別に各章で現代コスメ史を概観する. 化粧品のレイヤリング・アーキテクチャ(化粧水→乳液→美容液...)の説明もあり素人も安心. 化粧品を作るのは大半が OEM だという話や, 眉を描く鉛筆はほんとに鉛筆メーカが作っているという下りなど話は面白い. 一方でわからないことも多い. たとえば口紅の評価基準として挙げられている 6 項目: 1.色, 2.艶, 3.潤い, 4.透明感, 5.光感, 6.落ちにくさ. これらはどの程度直交性があるのだろうか. たとえば潤ってはいるが透明感がないだとか, 艶があるが光感はない, という口紅は実際はさておき理論上ありえるのだろうか. やはり謎は多い. あと "肌のきめ細かさ" というのもわかるようでわからない基準. 唇や素肌に詳しい人のコメントもとむ. もうひとつ "敏感肌" というのも昔から謎だったのだけど, これは化粧品会社による FUD だということで納得.

広告に関する話題も多い. 広告だけでなく, そもそもがビジュアルに関わる話題だけに写真が欲しい. 活字だけなのは残念.

最近読んだ本 : 情報検索と言語処理

Google 論文で検索づいた勢いにのって.

検索の話をきくとよく出てくる単語の意味がだいたいわかった. 入門書であり, これを読むと何かできるようになるような本ではない. (かわりに参考文献は充実している.) 後半の "ユーザ・インタラクション" や "関連技術" のところは興味がわかず, 結局 2/3 くらいで挫折.

印象としては, 形態素解析や TF/IDF あたりまでは枯れた技術として利用できるかんじ.逆により高次の意味解析(フレームとか)やユーザからのフィードバックを使った検索結果の改善のような話題はいまだに研究レベルというか, もしかしたらずっと研究レベルなのではないかと思えてしまった. これはアプリケーションが出てこないだろうという意味ではなくて, 市井のプログラマが道具として使える類のものではなさそうだということ. もっとも, そういう意味解析は Web と Google のおかげでなんとなく手なづけられつつあるようにも見える. そういう動向を踏まえたテキストがあれば読んでみたい.